制御性T細胞の同定法

今後、人のクロストリジウム属細菌で同じ作用を持つ種類を同定することによって、炎症性腸疾患やアレルギー疾患へ応用できる可能性があります。

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またNr4a-TKOマウスの症状は、過去の文献との比較により、Tregのみを欠損しているマウスよりも重篤であり、さまざまな解析の結果からもTregの分化異常に加えて、ネガティブセレクションの異常が関与している可能性が強く考えられました。 Atarashi, K. 免疫システムは我々の身体を多種多様な病原体から守っています。

「医学のあゆみ」第5土曜特集第268巻13号 制御性T細胞研究の現在

CpGの頻度や転写因子結合モチーフの組み合わせなどによって各遺伝子のEC50が決まり、EC50の値に応じて各遺伝子の発現上昇がPD-1によって抑制されると考えられる。

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すなわち、今回ご紹介したようなTregを誘導する腸内細菌種を腸内に定着させるアイデアです。 また、クロストリジウム属細菌を多く持つマウスは、腸炎やアレルギー反応が起こりにくいことも見いだしました。

4. T細胞活性制御のしくみ│研究成果 -アレルギー疾患・自己免疫疾患などの発症機構と治療技術

本研究グループは、T細胞の増殖を抑制する自然免疫細胞を探すために、マウスの大腸粘膜から回収した自然免疫細胞のうち最も大きな細胞集団に着目しました。 また Bacteroides caccaeや Bacteroides thetaiotaomicronもpTregを誘導します 8, 9。 そこで、M reg細胞による炎症性T細胞の増殖抑制にはIL-10やStat3が必要であるという仮説を立てました。

お二人の研究の方向性は違いますが、アレルギー治療への新たな道を開いたお二人が今年のノーベル生理学・医学賞を手にするのではないでしょうか。 , 209, 1713-1722 2012 []• 本研究グループは、この細胞を、T reg細胞を誘導するのではなく細胞上にある細胞接着分子によって、炎症性T細胞と直接結合して増殖を抑制することから、新規の自然免疫細胞集団として、「制御性ミエロイド細胞(regulatory myeloid cell;M reg細胞)」と名付けました。

制御性T細胞を誘導し、炎症を抑える化合物を発見 -制御性T細胞の誘導による治療の実現に繋がる誘導制御メカニズムを解明-

CD80, CD86 の発現を抑えられた樹状細胞は、エフェクターT細胞を活性化できず、従って免疫応答が抑制されるものと考えられる。 原論文情報• 胸腺へと入った時点では、前駆細胞はT細胞特異的なCD2を発現していないが、1週間のうちに発現するようになる。

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糖分を摂取すると分泌されたインスリンの作用で、いったん上昇した血糖値は正常に戻る(耐糖能)。

4. T細胞活性制御のしくみ│研究成果 -アレルギー疾患・自己免疫疾患などの発症機構と治療技術

( 2016年12月) 制御性T細胞(せいぎょせいTさいぼう、: regulatory T cell, Treg、 Tレグ細胞、 Tレグ、 調節性T細胞とも)は、免疫応答の抑制的制御()を司るの一種。 Tivol EA, Borriello F, Schweitzer AN, Lynch WP, Bluestone JA, Sharpe AH(• 一方のリンパ球系樹状細胞は形質細胞様細胞(plasmacytoid cell)と呼ばれる前駆細胞から分化してくる。 外部リンク [ ]• そこで、HFDマウスにIL-33を投与したところ、内臓脂肪のTregが増加し、血糖値や耐糖能が改善されました()。

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小山次郎・大沢利昭 著『免疫学の基礎 第4版』、東京化学同人、2013年8月1日 第5刷、119ページ• , 5, e38 2007 []• Tregは腸管に多く存在する Tregはその発生からみて、大きく2種類のタイプに分類されます。 , 38, 1654-1663 2008 []• ヘルパーT細胞は胸腺で生まれ、胸腺の外(末梢)に出て身体を循環し、身体に侵入した病原体の種類に応じてTh1、Th2、Th17の3種類のいずれかの炎症を引き起こす 注5)に分化し、それぞれの病原体の排除に最適な免疫反応を誘導します()。

4. T細胞活性制御のしくみ│研究成果 -アレルギー疾患・自己免疫疾患などの発症機構と治療技術

肥満と共に耐糖能異常を示す。 ウイルス感染細胞などを殺すキラーT細胞、免疫応答の成立を助けるヘルパーT細胞、さらに、免疫応答を抑制する制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)に大きく分けられる。

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<用語解説> 注1)免疫細胞 生体内で病原体やがん細胞を排除するために働く細胞。 Cell, 133, 775-787 2008 []• 研究を始めた当初の仮説および制御性T細胞の存在を決定づけた分子マーカーの発見のくだりを紹介します。

2016年ノーベル医学・生理学賞を予想する①その2 アレルギー反応機構の解明~制御性T細胞編

例えば、肥満によって内臓脂肪組織に炎症が生じると、インスリン感受性が低下して耐糖能が下がり、血糖値が上昇しやすくなります。 (中略) 当時最先端だったモノクローナル抗体の技術でT細胞を分類してみると、僕たちの実験で免疫反応を抑えているとみられるT細胞はCD4という表面分子を持っていた (中略) 色々な抗体を試し、どうやらCD25という表面分子が、僕たちの追うT細胞に特異的なマーカーになりそうだというところまで絞り込めました。

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また、腸内細菌は私たちの免疫系に影響を与えることが古くから知られていますが、どの腸内細菌がTreg細胞の産生(Treg細胞数)に影響を与えるのか、これまで明らかになっていませんでした。

腸で過剰な免疫を抑える制御性T細胞(Treg)と腸内細菌

Dietary antigens limit mucosal immunity by inducing regulatory T cells in the small intestine. マウスの糞便から46菌株、ヒトの糞便から17菌株のクロストリジウム属菌を単離し 6、これらが大腸のTregを増加させ、さらにマウスの腸炎やアレルギーを治療する効果があることを見出しました。 マウスの胸腺内にはOT-II TCRと強く結合する自己抗原が存在しないため、OT-II TCRを持つT細胞はTregに分化するために必要なTCRの刺激を受けることができず、OT-II TCRを持つTregは存在しないことが明らかとなっています。 それが活性化したり増殖して、自己抗原を攻撃しないように抑えるのが制御性T細胞です。

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その結果、サイトカイン、CD40Lなど、T細胞が実際に機能を発揮する際にはたらく遺伝子の発現をPD-1が選択的に抑制していることがわかった。

制御性T細胞の同定法

また、とT細胞の性質を併せ持つや、CD25分子を発現して他のT細胞の活性を抑制する働きのあるレギュラトリーT細胞などもある。 最も有名なのが、バクテロイデス属( Bacteroides)の Bacteroides fragilisです。 グラム染色に対する反応がこのように異なるのは、グラム陽性菌と陰性菌で細胞壁の構造が異なるためである。

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Immunity, 37, 785-799 2012• 2018年にノーベル生理学・医学賞が授与された本庶佑博士とJames P. こうしたことがなぜ起こるのか。 免疫応答機構の過剰な免疫応答を抑制するためのブレーキ(負の制御機構)や、免疫の恒常性維持で重要な役割を果たす。